こんにちは、あーとんです。
私は現役国立大学生で、このブログは主に勉強に関する情報を発信しています。が、高校は通信制高校を卒業しています。
そこで普通の人(?)にはあまり知られていないであろう通信制高校について、卒業生が解説していきます!
ぜひ通信制高校のことをもっと知ってください。そして、通信制出身でも大学生にはなれるんだということを伝えられたらと思います。
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目次
1.通信制高校のキホン
授業はあるの?
まずなんといったって気になりますよね。答えはもちろんYESです。
通信制の基本は単位制になります。つまり単位を取れば卒業できます。
単位を取得するためには、後程詳しく解説しますが、週に1~2回程度、決められた授業に出席する必要があります。(これをスクーリングと呼びます)
そしてこの授業は、全日制のそれと何ら変わりありません。週に1~2回と、受ける回数が少し少ないくらいです。
通信制といっても、オンラインで授業を受けたり、ネットでレポートを提出したりということは全くできませんでした。(在籍中はなにが通信制やねん!と文句を言っていました。)
友達はできるの?
正直これはかなり人によります。
よほど人が嫌いだったり、孤立するような生活を選ばない限り、全くできないということはないとは思います。
が、友達を作る難易度は高いのが現実です。自分から積極的に話しかけることができなければあまり友達に関しては期待しないほうが良いです。
それよりも自由な時間を生かしたバイト先などでコミュニケーションをとる機会は多くあるので、そのようなメリットを活用していきましょう!
学校には行くの?
はい、先ほど述べた通り、各授業週に1~2回は授業に出席する必要があるので、普通に学校に行きます。というか、私は一番単位を多くとっていた時期、通信制かわからなくなるほど普通に通っており、ハードでした。(これは私が2年生で必要単位を取得し終える計画を立てていたためです)
週1回程度といっても、授業は(人にもよりますが)だいたい5個以上は取りますから、合計週5時間の出席が必要となります。
ここで2つのタイプに分かれます
- 5時間詰め込んで1日で終わらせる派
- なるべく分散させてほぼ毎日通う派
です。
私はスクーリングが嫌いだったので(そもそもそれが原因で通信制に転学したので)、もちろん前者で、週1~2日、がっつり朝から夕方まで学校に通っていました。
それでも全日制と比べれば週1~2回で済んでいたので私にとってはかなり気が楽でした。
3年で卒業できるの?
そもそも通信制高校において、高校生の卒業資格を得るためには次のことが条件となっています。
条件
- 合計3年以上、高等学校教育機関に在籍すること。
- 合計74単位以上の単位を取得すること。
- 必修単位をすべて、選択必修単位を規定の組み合わせで決められた単位以上取得すること。
- 30時間以上の特別活動に参加していること。
これらの条件を満たせば、晴れて卒業!となるわけですね。74単位というのは計画的に取得していけば全く難しい条件ではありません。
私は2年生の終わりには74単位を取得し終えて、3年生はほぼすべて自分の勉強のために使うといった計画を遂行しました。
結果、人よりも多くの時間を受験勉強に費やすことができ、全日制の人にも負けない、いやむしろ平均以上の結果を余裕で残すことができました。
単位はどうやったら取れるの?
単位取得までの一連の流れは次のようになっています。
- どの授業をとるか、学校へ行き登録する。(履修登録)
- 登録した授業に関して、週1~2回程度の授業を受ける(スクーリング)
- 次回の授業までに課題を提出する(レポート)
- 単位認定試験を受験し、合格する(期末試験)
このような流れになります。
通信制は授業回数が少ない分、確実な出席とレポートの提出がカギになってきます。授業を欠席する場合は、事後報告でも大丈夫なので必ず連絡しましょう。単位がこなくなります。
また、単位認定試験といっても内容は授業に沿ったもので、レポートの点数と合わせて6割以上の得点があれば単位は来ます。
つまり普通に出席してレポート出してりゃ卒業はできます!!
2.通信制だって、メリットはある!
とにかく自由!
とにかく通信制は自由です。バイトもしてよし、髪形も服装も何も言われません。うちの学校はお仕事のせいで全日制に通うことのできない芸能人やスポーツ選手なども多く在籍していたので多種多様な人々を見かけました。
また、留年制度がない代わりに3年で卒業しなくてもいい、ゆっくり自分のペースで学習すればいい、という自由は学校に通えなくなってしまった人にとって大きなメリットであり、かなり気が楽になるのではないでしょうか?
ちゃんと学べる!
これは意外に思われるかもしれませんが、授業は普通に行われますし、私語なども厳格に注意されますのでしっかりと授業を受けたい人にとっては学べる環境が整っています。
中には受験生向けの授業や、センター試験対策、英検などの各種試験対策といった授業も開講されている場合が多いです。
もちろんこの授業をとっても単位は取得できますし、74単位にも加算されるので一石二鳥ですね!
時間がありあまる!
通信制に通っていると本当に時間があります。こういった点において全日制高校よりも有利な場合があり、バイトや趣味、お仕事など全力で打ち込むことができます。
もちろん私のように勉強に打ち込んで大学に入学し、通信制のデメリットである学歴を塗り替えることだってできます。
私は通信制高校に転学していなかったら、今のレベルの大学には確実に入学できていませんでしたし、そもそも文系だったのでそのまま特に学びたいこともなくそこら辺の大学に入っていたような気がします。
資格が取れる!
こちらは私が転学してから特に驚いたことです。
通信制高校では、その自由な単位制を生かして様々な資格に挑戦することが可能です。
といっても、よくある漢検や英検、TOEICといった全日制の学校でも受けることができるものではなく、なんとフォークリフトやパワーショベルカーの免許、障碍者ガイドヘルパーの免許なども取得することが可能です。
これらは卒業後も一生履歴書に書くことのできる資格なので、取得すれば大きなアドバンテージになりますね。
大学生の練習になる!
通信制は単位制の高校ですので、履修登録の際に必修、準必修、選択必修などの授業を自身で見極めて計画し、卒業までの単位数を常に把握する必要があります。
実はこれは大学の制度とほとんど同じですので、私は大学に入ってからも周りが初めてのことで戸惑う中、履修登録関連で苦労することはありませんでした。
時間があり、卒業のために取りたい授業構成を考え、単位を取得していく流れは大学生と全く同じですので、大学生の練習になりますよ。
3.通信制のデメリット?
なんといっても評判が悪い
すでにお仕事が忙しく、高校に通えないので通信制に通うというパターンも多くありますが、ただいろいろな事情で学校に通えなくなってしまっただけの高校生もまた多くいます。
そのような高校生が通信制出身の場合、世間からの評判はすこぶる悪いです。なぜなら「普通の人ができることができないから」です。
実際通信制高校を卒業して就職する場合、普通科出身の人と比べるとどうしても採用率は下がってしまいます。
課外活動が(ほとんど)ない
ここでいう課外活動というのは、例えば修学旅行や体育大会、合唱コンクール、さらに学祭などの大きなイベントのことです。
通信制高校にも部活動は一通りあるところが多いです。しかし、部活動に入らず普通に授業を受けているだけなら課外活動に関してはほとんどかかわる機会がないかと思います。
通信制に入って後悔したことの一つといえば、真っ先に浮かんでくるのが「修学旅行に行きたかったな」ということですね。
そのような行事に参加できないのは高校生という時間において不利であることは間違いないでしょう。
4.「通信」という選択について
学校に通えなくなる理由は人によってさまざまだと思います。
しかし、通信制高校はそのような人々を受け入れてくれる本当に素晴らしい教育システムだと思っています。
一度挫折してしまった人でも、もう一度やり直すチャンスを与えてくれる場です。
世間が普通だと思っている道から一度外れてしまってもいいんです。まだほんの高校生、まだまだやり直す時間はたくさんあります。むしろ挫折を早いうちから味わった方がいい、なんてことも十分にあり得ますよ。(私自身そうでした)
このような機関を最大限に活用して、一人一人に合ったペースで、3年以上かかっても高校はぜひ卒業してほしいと思います。
そしてゆっくりと、自分のやりたいことを見つけてください。
ではでは。