位置、速度、加速度と微積分の関係について解説します!-微積分で高校物理-

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物理

00はじめに

微積物理に興味を持ち始めるのは、次のような人が多いのではないでしょうか?

・難関大学志望の受験生
・微積なしの物理がひと段落ついた学生
・理系大学生や数学が得意で学び直したい大人

ここでは、主に高校物理の範囲を微積分を使ってわかりやすく学び直すという事をテーマに物理の解説をしていきます。
イメージとしては当然ですが高校で学習するいわゆる「公式物理」よりも難しく、学部で学習する「力学」よりも少しだけやさしめの内容となっています。

高校物理の勉強する順番や各単元の内容に関して疑問がある方はこちらからどうぞ

【2022年度版】高校物理の難易度と勉強する順番を全部解説します
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01位置ベクトルとは

公式物理をしっかりと勉強した人ならこの考え方は当然ですが、力学において位置は原点から伸びるベクトルを用いて表します。

このように成分表示を用いて表すこともできますし、以下のようにそれぞれの座標軸に沿った単位ベクトルを用いることで

と表すこともできます。これは、それぞれの単位ベクトルi, j, kにその方向の大きさであるx(t), y(t), z(t)をかけているという意味になります。

いきなり3次元の位置ベクトル表示がでてきて拒絶反応がでた人もいると思いますが、この解説シリーズでは積極的な3次元の拡張はしませんので安心してください。ただ位置ベクトルなどの「ベクトル」と聞いて、2次元のベクトルを想像してしまう人はまだ物理(特に微積物理)に慣れていない証拠だと思います。ベクトルと聞いたら2次元か3次元か、はたまたそれ以上の線形代数的な概念か、選択肢を持てるようにしておきましょう。

02速度について考えよう

1次元の速度

まずは簡単に、1次元の時の速度を考えてみます。

であり、x(t)は実数ですからx(t)の正負によって方向が定まります。
よって$r(t) = x(t)$と考えて差し支えありません。

さて、x(t)は時刻tの関数なので、時間によってその値は刻々と変化します。ある時刻tの時からΔtだけ進んだ時、xはどのくらい変化しているのかという割合を考えることで、時刻tからt+Δtの間における平均の速度

が得られます。このΔtを限りなく0に近づける、すなわちΔt→0の極限を考えることによって、時刻tにおける瞬間の速度(x-tグラフの接線)を考えることができます。

従って、1次元における物体の速度は次のようにあらわせることがわかります。

これは速度が位置の微分で表せるという事を示していることに他なりません。

2次元、3次元ベクトルへの拡張をしよう

2次元の時も単にベクトル量になっただけで同様に考えることができます。

であるので、成分をそれぞれ微分すれば同様に速度ベクトルを得ることができます。3次元に拡張しても、

となります。

速度ベクトルを積分してみよう

ところで数学ができる人ならすでに勘づいていると思いますが、速度ベクトルを積分してみるとどうなるか試してみましょう。成分ごとに考えるので、x成分に関して、

これらをすべての成分に対して行うことによって、

これらを再びまとめて、

と書くことができます。
これは、速度ベクトルを微分すると位置ベクトルの差であるベクトル(これを変位ベクトルといいます)が得られるという事です。

よく、「位置を微分すると速度になるから、速度を微分すると位置になる」といったフレーズを耳にしますが、実は位置ベクトルそのものが得られるわけではなく、あくまでも変位ベクトルが得られているというところに注意しましょう。

03加速度を導入しよう

加速度とは、速度がどのくらいの割合で変化したのかという事を示す量です。すなわち速度ベクトルにおける接線の傾きですから、速度ベクトルを導出したときと全く同様にして

と表すことができます。

さらに、加速度を積分することで

すなわち、

と表すことができます。



04まとめ

今回のまとめです。

・位置、速度、加速度はベクトルで示す。
・速度は位置が瞬間的にどのくらいの割合で変化しているかを示した物理量であるから、位置を微分した量になる。
・速度ベクトルを積分すると、位置の変位ベクトルが得られる。
・加速度は全く同様に速度の微分である。

重要な式

次回は等加速度運動について解説します。
等加速度運動の公式と呼ばれるものを鮮やかに微積分で示します。