【経験者は語る】通信制高校から大学進学するための方法

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通信制

通信制高校に通う方 or 通う予定の方なら一度は抱える不安

「通信制高校から大学進学ってできるの?」

答えはもちろん、YESです。

私は大阪の通信制高校を卒業し、関東の某国立大学(“くにたち”じゃなくて”こくりつ”ですよ!笑)に一般入試で入学しました。
センター試験(現在の共通テスト)も受けましたし、しっかりと全日制の高校の人たちと戦いました。

この記事を見てくれた方は、過去の私と同じような悩みを抱えていることと思います。

「通信制から大学進学ってできるの?」
「国公立大学は厳しい?」
「予備校、塾は行くべき?独学で頑張るべき?」
「どのくらいの勉強量で合格できる?」

おおよそこのようなところだと推測しています。
こんな悩みを持っている人の少しでも手助けになればと思って記事を執筆しています。

さて、この記事では上記の疑問に解答するべく、国公立などの一般入試を受ける、あるいは受けようか悩んでいる方へむけて、今すぐできる、すべきことを列挙してみました。

改めて結論を言うと、通信制からでも大学進学は可能です。国公立大学も可能です。
しかしそのためには全日制の普通科や特進クラスの学生に受験という勝負の場で勝つ必要があり、そのためには通信制の利点を最大限に活用する必要があると考えています。

では、さっそく見ていきましょう。



学校のカリキュラムを把握するべし

まずは、自分が今通っている通信制高校のカリキュラムを確実に把握しましょう。
具体的には、

・自分の取得単位数を確認する
・必修、準必修、選択科目を確認する
・卒業までの必要単位数を確認、把握する
・毎週のレポートの頻度、スクーリングの頻度を把握する
・次期の履修計画を立てる

といったところです。
これは、高校のスクーリングを受験期になるべく少なくするという作戦を明確にするために行います。

例えば私は高校2年生の時に通信制高校に転校しましたが、いざという時のことを考えて3年生の前半で卒業要件を満たし、後半は全く学校へ行かず勉強していました。

通信制高校は卒業して高卒の資格を取ることを第一に考えられたカリキュラムであることが多いため、多くの場合授業内容のみでは全日制の学校にかないません。

通信制高校の生徒が唯一有利であるのは、時間があることです。
そしてこの利点を無駄にすることなく、受験勉強において最大級に効果を発揮させたいわけです。

そのために、具体的には3年生になったらほとんど学校に行かなくてよい(週1~2回程度のスクーリング)という状態まで持っていくことが好ましいです。

よく「受験期は一日どのくらい勉強していましたか?」と質問が来るのですが、その時は決まって

「高校2年生の時から一日8~9時間を目安にしていたよ」

と答えます。

だって、普通科や特進コースの人たちは学校に行っている間6時間くらい勉強していて、その人たちに勝とうと思っているのですからそのくらいは考えてみれば当然です。
一日8時間くらいやれば、体育や音楽といった受験に使わない科目を勉強しないで済む分、全日制の人よりも多く勉強できるという簡単な計算です笑

もしあなたが高校2年生相当の在籍日数であれば、ぜひ今から履修計画を明確にして、受験に備えてみてください。

仮に受験しないことになったとしても、3年生で時間が大きく作れることは就職先を探したりする際にも非常に有利になります。

どうせなら通信制の利点を最大級に生かして戦いに臨みましょう。

履修する科目をよく考えるべし

さて、学校の卒業に関する問題を解決したところで、次は履修する科目をよく考える必要があります。

つまり、

どの科目を学校で学び、どの科目を学ばないのか
どの科目を受験で使い、どの科目を使わないのか

ということを決めましょう。
受験勉強をする際は0から自分で学び始めるよりも、少しの知識があって0.1から学び始める方が効率よく勉強をスタートすることができます。

よって、基本的には受験で使う教科は一度学校で学んでおいた方がよいです。

がしかし、通信制高校においては、とっても取らなくてもよい授業がたくさん開講されている場合が多いため、例外も存在します。

具体的には

・「共通テスト対策」「受験数学」などの受験用の授業は早すぎる時期からとり始めない
・自分で勉強できそうな科目は取らないのも作戦のうち
・受験以外の科目は「楽そう」or「楽しそう」で選ぶ

という感じです。
まず、受験に必要な科目を調べてネットなどで内容を調べてみましょう。ある程度自分で勉強できそうな科目ならそれはわざわざ学校で取らなくてもよいです。

また、学校によっては「受験対策」系の授業が開講されている可能性もありますが、こちらも早すぎる時期からとるのは得策ではありません。

この2つの作戦の意図するところは、学校の授業は基礎をマスターしてから確認のために使う用として取っておくということです。

なるべく自分で基礎を学習する
→学校でその科目を取り、自分の復習として使う(新たなことを学べたらラッキー)
→並行して自分でより応用的な内容を学習する

というサイクルができると、学校の授業を有効活用しながら受験勉強に励むことができます。
まとめると、学校の授業はあくまで自分の受験勉強の補助教材として使うということですね。

受験までの勉強計画を立てるべし

次に、受験までの勉強計画を必ず立てましょう。
通信制高校に通っている以上、受験科目の内容の大半を「塾、予備校」もしくは「独学」によって習得する必要があります。
そのためには、自分がどのくらいのペースで勉強できているか常に正確な実力を把握していることが非常に大切となります。

私が実際に高校生の頃にどのようなペースで勉強していたかはこちらをご覧ください。

【体験談】通信制から国立大学に受かった話
高校に通えなくても、勉強はできる。通信制高校に通う学生に是非読んでほしい、そんな内容です。 私が大学に合格した軌跡をご紹介します。

さて、重要なポイントは次の通りです。

Level 0: 学校の内容(教科書例題がすらすら解けるレベル)は習得できたか
Level 1: 基礎的な問題集を自力で解けるレベルに達したか
Level 2:  受験特有の問題を解けるようになったか(解法暗記)
Level 3: 過去のセンター試験、共通試験の問題を解けるレベルに達したか
Level 4: 志望校やその周辺の大学のレベルの問題を解けるレベルに達したか

これらの段階をどの時期に達成するのかという計画を立てましょう。

おそらく通信制出身の人が一番苦労するのは、Level0を適当に済ませてしまうということです。

すべての入試問題は教科書の内容から逸脱しないように作成されています。
つまり、教科書の内容は一番大切です。

ここの段階を丁寧に学習しておくことで、今後の学習ペースに大きな差が出てきます。
教科書レベルの基礎を根本から理解できるように学習しましょう。

自分の生活リズムを確立すべし

次に、受験勉強を効率よくこなすために、自分の生活リズムを確立させておきましょう。

特に通信制高校に通う人の中には、普通の人と同じように朝起きて夜寝る生活が難しい人もいると思います。

もちろん体調管理や今後の社会生活について考えたときに規則正しい生活をするに越したことはないのですが、そのように極端に夜型な人は難しいことを考えずに自分の生活リズムを確立させてしまいましょう。

夜型でもそれが日常になって、勉強にも集中できるのならそれで良いと思います。(実際に私もそうでした。)

まずは大学に受かって、普通以上の学歴を手に入れることが最優先です。社会生活云々は入学してから考えても遅くありませんよ。



数学、英語を勉強すべし

さて、最後は少し踏み込んで具体的に何の科目を勉強すべきか、ということについて考えていきます。

結論から言うと、最優先は英語、次いで数学です。

特に英語は文系理系問わず、必ず受験で使用する科目です。ここの難関をどの段階で乗り越えているかによって、受験の成功率が大きく変わるといっても過言でもありません。

また、英語の学習は一人では難しいことが多いため、通信制高校に通う人たちにとって大きな難関になることは間違いないかと思います。

私のお勧めは、次の通りです。

・中学英語に抜けがないかチェック
・Forest, Ever greenなどの文法書をひたすら読み込んで理解する
・中~長文を読んで実力を伸ばす

まずは、中学英語に抜けがあっては国公立大学の合格はかなり厳しくなります。

中学英語の文法と単語、そしてある程度の長文を読む力を育てましょう。
おススメは以下の教材です。

特に、シグマベストの『高校入試スーパーゼミ[英語長文]』はかなりおススメです。

初めは長文を読むために必要なイディオムが100個ほど掲載されており、続いてそれを用いた中文、長文(といっても1ページ程)を読むことで実際にどのようにイディオムが英文の中で出てくるかを体験できます。

あまりオススメされているところを見かけませんが、非常に優秀な教材だと思いますので是非。

続いて、それができたらいよいよ高校の内容を学習しましょう。
といっても、高校での英語の教科書は基本的に独学には向いていません。

そこで私は、Ever greenという総合英語教材をおススメしています。
こちらはForestという私が愛用していた英語教材の後継で、フルカラーでたくさんの図解があり、基礎的な内容から応用的な内容まで幅広く、わかりやすくカバーしています。

受験勉強における文法の辞書的にも使えるので、特別な理由がない限り購入しておいて損はないかと思います。

だいたい英語の基礎が身についてきた方は、ある程度まとまった長文を読んでさらに実践的な実力を伸ばしましょう。

その際に、センター試験の過去問を試しに解いてみると非常に良い練習になります。
また、『やっておきたい英語長文』シリーズの300, 500はこのレベルの人にとって非常に良い教材となりますのでやっておいて損はないでしょう。

英語のその他詳しい学習方法や数学の学習方法については、また別の機会に記事にします。



まとめ

以上が、通信制高校から大学進学するために私が本気で考えた作戦になります。

通信制高校って、自由であるからこそ、普通科にも負けない強みがあります。
その強みを最大限に生かしきれた人が、普段は通信制をバカにしてくる立場である普通科の人たちを超えることができると私は思っています。

是非、普通科を超えてやってください。その達成感は底知れぬものです。

では。