【理系大学生が解説】高校数学の学ぶべき順番と難易度を全部教えます!

スポンサーリンク
数学 数学

皆さんこんにちは、現役国立理系大学生やってます、あーとんです。

実は私、化学/生物系の大学生ですが、数学は大好きです。もちろん自然法則を理解するためには数学の能力が必須だと常日頃から感じています。

 

今回は数学大好き理系大学生から見た「高校数学を学ぶ順番」について解説していきます。

「高校数学の全体像を知りたい!」
「学校の進度が遅くて自分で数学を学びたい!」
「結局どの単元が難しいの?」

そんな悩める方へ向けての記事になります。

また、数学が初めての方に向けて、<学習の指針>や、高校生のうちにはまだつかめないであろう、大学の数学でどのように応用されていくのかということについても併せて解説していますので是非ご覧ください。

 

それでは順番に見ていきましょう。

 




1.勉強するべき順番

まず、今回の結論です。勉強すべき順番は以下の通りです。

<数学1> 方程式と不等式 → 二次関数 → 図形と計量
<数学2> 式と証明、高次方程式 → 図形と方程式 → いろいろな関数 → 微分積分
<数学B> 数列 → ベクトル
<数学3> 式と曲線 → 関数と極限 → 微分法 → 積分法 → 複素数平面

この順番でマスターしていくと効率が良いです。

また、今回は数学を効率的にマスターするため、次の単元はあえて外しています

これらの単元はほかの単元との関連性が薄いので、学校の授業をしっかり聞き、そのうえで順番は関係なくほかの数学との同時並行で取り組めば大丈夫です。

外した単元

<数学1> 論理と集合、データの分析
<数学A> 図形、整数、場合の数と確率
<数学B> 統計的な処理

それではここからは、この順位になる根拠と、各単元で何を勉強するのか、そして独学はしやすいのかどうかをそれぞれ詳細に解説していきます!


2.各単元の学習内容

数学Ⅰ

高校数学すべての基礎であり重要な科目。しかしここで挫折する人は後を絶たず、「文系製造マシーン」の異名を持つ。ここを突破できるかどうかが高校数学のターニングポイントである、、、!

 

方程式と不等式

<難易度>★★☆☆☆
<独学の難易度>★★☆☆☆

<内容>

中学生の頃よりも複雑にパワーアップした「二次方程式」、簡単に見えて応用範囲が広すぎる「絶対値」「不等式」の扱いを学びます。

高校数学におけるすべての基礎です。どんな問題でも最終的には方程式、不等式を解くことになっていくので、まずこれができないと前には進めません。

<学習の指針>

特に注意すべき単元は「絶対値」です。絶対値の中が正か負かで「場合分け」をする必要がある問題が多く、初めは戸惑うかと思います。

逆に言うと、「絶対値の中が正か負かを常に気にする」ことができればマスターしたも同然です。

 

二次関数

<難易度>★★★☆☆

<独学の難易度>★★★☆☆

<内容>

y=ax2+bx+cとあらわされ、x-y平面上で放物線を描く関数を扱います。応用範囲がとても広く、定義域やグラフといった関数の基本的な概念、そして最大値、最小値を求める操作を身につけます。

高校数学では様々な関数を扱いますが、その基礎となっている最も重要な単元の一つです。

<学習の指針>

まず高校数学でつまずく人が多いのがこの二次関数です。軸や頂点といった特徴についてしっかりと理解し、手を動かしてとにかくグラフをかきましょう。

定義域の攻略には時間を要するかもしれませんが、「起こりうる場合をすべてグラフでかき出す」ことが有効です。ここを乗り越えることが数学が得意になるかどうかの境目です!

 



図形と計量

<難易度>★★★☆☆

<独学の難易度>★★★☆☆

<内容>

みなさんおなじみの、サイン/コサイン/タンジェントを扱います。

三角比と呼ばれるこの概念と正弦定理、余弦定理などを使って、「角度と辺の長さを結びつける方法」を学びます。

<学習の指針>

とにかく公式や覚えることが多い分野で、初めは戸惑ってしまうかもしれません。

「こんなの覚えても忘れちゃうよ」

という場合は、数学Ⅱの「三角関数」の定義を先に学習することをおススメします。こちらの単位円を用いた定義を理解できれば、この単元は一気に簡単になります!

 

論理と集合

<難易度>★★★☆☆

<独学の難易度>★★★☆☆

<内容>

数学において重要な論理を、論理記号を用いて体系的に学習します。ここで数学上もっとも重要な概念のうちの一つ、「同値」を初めて扱います。

<学習の指針>

数学が得意な人ほど楽しくなく、苦手とする分野ですが、しっかりと勉強すればそこまで難易度は高くありません。同値や必要条件、十分条件といった考え方は数学に限らず、論理を扱う学問全般で活躍します。特に高校数学では同値性を意識することが重要なので、この分野はしっかりと学習しておくことがおススメです。

しかし、他の分野との関連性はかなり薄いため、順番は気にせずに、なるべく早めに取り掛かれば大丈夫です。

 

データの分析

<難易度>★☆☆☆☆

<独学の難易度>★☆☆☆☆

<内容>

統計学への準備として、箱ひげ図や分散、相関係数といったデータを整理する指標とその計算方法について学びます。

<学習の指針>

1週間もあればマスターできます。簡単です。

簡単ですがみんなやらないので苦手だとわめきます。黙ってやりましょう。

特に大学の「統計学」に大きく関与してくる単元です。やる気がわかない人は標準偏差の深いイミや、正規分布について自分で学習してみても良いと思います!

 



数学A

圧倒的な高校数学界の異端児であり、その問題の難易度は教科書からかけ離れていることで有名である。「高校数学の裏ボス」として陰で高校数学を操る黒幕である、、、。

 

図形

<難易度>★★☆☆☆

<独学の難易度>★★☆☆☆

<内容>

チェバの定理、メネラウスの定理を筆頭に、平面、空間図形の各種定理について学び、図形的に問題を解く手法を学習します。三角形の5心はすべて完璧に覚えましょう。

<学習の指針>

定理をしっかり覚える。それができれば簡単です。

ひらめきが必要な、算数チックな問題も多くありますが、たいていはひらめかなくても座標、ベクトルでごり押し可能です。

ゆえに必要性はそこまで高くはなく、特に中学、高校受験などでしっかり図形を勉強してきた人にとってはあまり必要性を感じられない分野です。

 

整数

<難易度>★★★★★

<独学の難易度>★★★★★

<内容>

ユークリッドの互除法や倍数、約数、あまりなど、整数の性質について学習します。

<学習の指針>

いわずと知れた最難関。実質「整数」に関する問題ならなんでもオッケーという暗黙のルールのせいで、教科書に書いてある内容だけでは到底解けない問題が出題されます。

問題ごとにパターンは決まっているものの、ぱっと見では指針の全く立たない問題も数多く存在する。とにかく解法パターンを覚えてからがスタートなので、そこまでは手を動かして頑張ろう。

 

場合の数と確率

<難易度>★★★★☆

<独学の難易度>★★★★★

<内容>

起きうる場合の数を効率よく数える手法として、順列や組み合わせを学びます。また、起こりうる確率を正しく計算する方法を学習します。

<学習の指針>

「これはCか?Pか?」ってなっているあなた、要注意!!!!

ちゃんと論理的に数えることができれば終わり、ということを分かっていない人が多いです。

時には地道に数えないと不可能な問題もあるので、CとかPとか公式に頼っている人にとっては難易度が跳ね上がります。つまり一番差のつく分野です。

確率も、その本質を理解するまでは非常に難しく感じる人が多く、(私も初めはそうでした)いかに公式に頼らず自分で考え抜くかが大切になってきます。

整数と同様に他の分野との関連性は薄いので、まとまった期間に集中して学習し、本質をつかむ、という方法がおススメです。

 




ちょっと休憩
独学におススメの参考書はやはり鉄板のチャート式です。個人的には黄チャートが使いやすいと思います(青チャートの例題から始めても問題ありません)


数学Ⅱ

高校数学、諸悪の根源。膨大すぎる学習範囲とセンター試験における時間のなさは「文系殺し」として有名である。ここで脱落したものは暗記という名の悪夢に手を伸ばすことになる。

 

式と証明、高次方程式

<難易度>★★☆☆☆

<独学の難易度>★★★☆☆

<内容>

二項定理を用いてn乗を展開する方法や、式を式で割ったあまり、虚数単位iといった新しい概念を学び、さらに三次以上の方程式について理解を深めます。

<学習の指針>

整式同士の割り算、すっごく地味にみえるのですがめちゃくちゃ重要です。割り算をすることで「次数下げ」という非常に有効な計算テクニックが使えるようになるのでしっかりと学習しておきましょう。また、虚数iについては(理系の皆さんは)、のちに「複素数平面」という単元でより詳しく扱うのでこの段階では基礎的な計算ができれば十分です。単元全体として難易度はそこまで高くありません。

 

図形と方程式

<難易度>★★★★☆

<独学の難易度>★★★★☆

<内容>

円の方程式を基本に、図形を方程式として扱う手法を学びます。方程式(関数)とグラフの関係を深く理解し、軌跡や線形計画法といった応用的なものまで正確に理解する必要があります。

<学習の指針>

高校数学の大きな難関です。

まずは円の方程式を導出することで、グラフと方程式の本質を理解しましょう。その際に軌跡という考え方が非常に大切になります。

さらに、例えば「グラフの交点は連立方程式を解く」といった今まで当たり前のようにしていたことでも、それがなぜか説明できるようになっていることが目標です。

また、問題のパターンが多く、解法をある程度暗記しながら進める必要があります。「このタイプの問題はこうして解く」といった感覚をつかみましょう。

 


いろいろな関数

<難易度>★★★★☆

<独学の難易度>★★★★★

<内容>

三角関数、指数関数、対数関数といった、理系にとっては非常に重要で、実用的でもある関数を学習します。関数にはさまざまなタイプがあることを理解し、新たな関数に対して適応していく必要があります。

<学習の指針>

高校数学の大きな難関その2です。

とにかく新しいことが大量に出てくるため、初めから極めようとせず、定義とその使い方を理解できるようになってから細かく理解していくのが良いと思います。

また、三角関数、指数関数、対数関数は物理学や化学でとても重要なほか、マイナス乗や2分の1乗といった数学の気になる疑問を解決してくれる単元でもあるため、個人的には楽しかった分野でもあります。

一番重要で範囲が広いのが三角関数です。

三角関数は受験でも必ず出ますし、とにかく問題のタイプが多いので、何を暗記すべきかきっちりと自分の中で考えて進めていく必要があります。

 

微分、積分

<難易度>★★☆☆☆

<独学の難易度>★★★☆☆

<内容>

数学Ⅲにおける微分法、積分法の導入として、平均変化率と多項式関数における微分法、積分法を学びます。

<学習の指針>

微分は計算方法さえ学んでしまえば、問題は解けるようになるため、そこまで問題を解く難易度は高くありません。また

理系の皆さんは数学Ⅲで本格的に微分法、積分法を学習するのでここはさらっと理解しましょう。

 




数学B

数学Aと並び、高校数学の異端児である。

なんかかっこいい、Σの悪夢。突然始まる、やじるし遊び。

とにかく初学者を惑わせるその姿は「新人殺し」として悪名高い。

 

数列

<難易度>★★★★☆

<独学の難易度>★★★★☆

<内容>

ある秩序を持って整列した数、「数列」について、数列のn番目やその合計値、Σの性質などを学習します。自然数一般に成り立つことを示すための数学的帰納法も有効な証明方法です。また、漸化式は受験頻出の単元です。

<学習の指針>

さまざまなタイプの数列について学び、それらのパターンや公式を一つ一つ理解していくことが大切です。また、受験においては、見たこともないような数列や漸化式を解読する力も必要です。具体的な実験をしてから一般化する練習をしておきましょう。

 

ベクトル

<難易度>★★★★☆

<独学の難易度>★★★★★

<内容>

物理学において非常に重要な概念、ベクトルについて学びます。

応用性の高い空間ベクトルをはじめとし、図形問題において幅広く活躍します。

<学習の指針>

とにかく独学のしづらい分野です。本当に、初めは「大きさと向きを持った量???」ってなります。が、一度慣れてしまえば本当に応用性が高く、図形問題では大活躍です。

特に空間図形を現実的に扱うことができるのはこのベクトルだけなので、確実に身につけましょう。物理選択の人はなくてはならない概念ですし、大学の「線形代数」ではベクトルの定義をさらに拡張します。楽しみにしていてください。

 

統計的な処理

<難易度>★★★☆☆

<独学の難易度>★★★☆☆

<内容>

期待値や二項分布、正規分布など統計学の基礎を学習します。

<学習の指針>

高校数学界で一番影の薄いヤツです。

学校のカリキュラムによっては勉強しないところもあるようで、本当にマイナーな分野です。

入試ではほとんど出ないので、興味のある人はこの分野ではなく、大学生用の「統計学」をしっかりと学ぶことをおススメします。